どん底自由人 -

どん底人生2:どん底の息子に石を投げる親

目次

  1. 余命2~3カ月
  2. ハローワークでの求職活動
  3. そうだ!実家に一度帰ろう

余命2~3カ月

様々な努力もむなしく、ただただ1日1日お金が無くなっていき、貯金を崩して生活する日々。サーバ代やら住んでいるところの家賃やら、そのほか業務に必要なアプリのサブスクやらで、生きていくための維持費はかなり高い現状。

もう駄目だと思い、あと何カ月耐えられるのか計算してみたら…ザクッとあと2~3カ月が限界で貯金も底をつくことが分かった。


ハローワークでの求職活動

自営業がもう駄目だと悟った時に、いろんな拘りやプライドは捨てて何か職を見つけなくてはいけないと思い、すぐにハローワークに求職者として登録し仕事を探し始めることにした。

ハローワークの担当者に就職が決まるのにおおよそどのぐらい見ておいたほうが良いか聞いてみると、「だいたい3カ月ぐらい」という返事が返ってきた。

3カ月

え・・・3カ月は資金が底を尽きて家賃も払えなくなってしまうタイミングだ。もしも、運良く仕事が見つかったとしてもそこから給料が入ってくるのは1~2カ月後だ。自分は既に詰んでいる状態なのだということを悟った。

何とか現状を回復させようと粘った行為が、ここにきてかなり響いている状態なのだ。響いているなんて生易しいものではない、今まさに足元からガラガラと音を立てて崩れ落ちようとしているのだ。

毎月の支払いで比重が多いのは家賃。私は中規模の都市に住んでいるので、家と駐車場で1カ月10万円ぐらい。都会からしたらそんなに高くないかもしれないが、それでもこの10万円という家賃が今の私には非常に重荷になってしまっているのだ。


そうだ!実家に一度帰ろう

そこで色々と悩んだ末、一度田舎の実家に帰ろうと決心した。私は長男なので、両親からいつも「いつ帰ってくるんだ」といった感じの話を振られていたので、これは実家に帰る良い機会かもと思い電話をしてみた。

私:「今の事業がダメになって就職先探そうと思っても、ハローワークで3カ月ぐらいは掛かると言われて…そこまでお金が持たないし、就職先を探すまでの間だけでも、そっちに帰っていいかな?」
父:「じゃあ、帰ってくるんなら月8万円ぐらいは家に入れてもらわんと困るなぁ。」
私:「ちょっと待って。お金が全然足りないから、頼んでるんだけど…俺の部屋とか、今使ってないよね?」
父:「今は物置に使ってるけど?」
私:「そこ俺が片付けるし、部屋使わせてもらえない?」
父:「いや、あそこは大事なもの置いてるから、空けるのは難しいな。」

私が子供時代に使っていた部屋は、今は物置になっていて、壊れたストーブや扇風機、何十年も使われず埃を被ったテーブルや開けたことのない祖父母のタンス、空き箱や段ボールなどのゴミが積み上げられて汚部屋になっている。その部屋を自分で片付けるから少しだけ住まわせてくれといっているのだが?通じないのか?

私:「なんでそんなこと言うん?部屋、使ってないよね?」
父:「こんな田舎に帰ってきても仕事なんてないから、そっちで仕事探したほうがいいんじゃないか?」
私:「だから、仕事見つかるまでお金が持たないんだって…」
父:「じゃあバイトでも探したらどうなんだ?」
私:「ここに住んでたらバイト代じゃ全然足らないし…」
父:「おまえ、職にこだわってインターネットだけ見て仕事探してるから、見つからないんじゃないか?」
私:「いや、だからハローワークに足運んで、仕事見つかるの3カ月ぐらいは掛かるって言われたんだけど…それにハローワークも今はインターネットだから。」
父:「ここに帰ってくるなら8万円払え。こっちもお母さんと年金暮らしで毎月5万ほど赤字だからお前の光熱費とか賄えん。」
私:「もちろん、自分の経費は払うって。ギリギリまで頑張ったからお金がもうほとんど無い中で家賃や駐車場代がキツイから職を見つける間だけでも住ませてくれって言ってるんだけど。」

うちの親は普通のサラリーマンだったので、厚生年金で毎月25万円以上の収入がある。更に家は先祖代々から住んでいる持ち家なので家賃や駐車場代などの維持費はゼロ。

老夫婦で家賃無しなのになんで毎月30万円も必要なのかはわからないけど、今お金も職も無いからとりあえず安心して眠れる場所を与えてほしいと言ってるだけなんだけど…他人じゃなく親に。

私:「でも前はいつ帰ってくるんか聞いてたよね?」
父:「それとこれは別。月8万円入れられんのなら帰ってくるな。」

職探しもせずに帰ってくるって言ってるなら、帰ってくるなと言われるのもわかるけど、私は真剣に就職活動をしているのに、、、。まさか息子が大ピンチで生きるか死ぬかの状況で、拒絶されるとは…。

父:「あと、この家は別にお前に見てもらわんでもいいからな。」

ここにきて、お前に家はやらん宣言まで飛び出してきた。何だろう、私は何か他人と話をしているのだろうか。

私は今まで何かあった時はすぐに実家に戻れるようにと、頭で考えながらいろんなことをやってきた。職探しをするにしても、実家からあまり遠くない場所を考えていたんだけど…私の中で、心を繋ぎとめていたような何かがバリっと壊れた気がした。

私:「おやじ、分かった。もういいわ。」
父:「おまえはどうしてそうやって親に喧嘩を売るんだろうね。」

これのどこが喧嘩を売っているんだろう?お願いをしているだけじゃないのか?私はもう父親が何を言っているのか理解できなくなった。

私:「いや、もう心配掛けないから。あんたらもそっちで頑張って。」

そう言って私は電話を切った。

自分の親に対して変な親心を期待してしまったのが間違いだったのかもしれない。どうしようもなく、とりあえず助けてほしくて…間違って親を頼ってしまって、さらに心をえぐられるような状態になってしまった。

私はここ数年、やることなすことすべてが裏目に出てしまっている。

「ははっ…」

思わず笑いが出てしまった。もう笑うしかないというのはこういうことなんだろうな。