アップルカープレイはナビ代わりになる?
Apple CarPlay(アップル カープレイ)は自分のスマホ iPhone の画面を車のナビ画面に映してアプリを操作できるシステムで、BMW MINI(ミニ)Fシリーズ LCI2 にもナビ代わりになる規格として搭載されています。
一時期、世界的な半導体不足により BMW MINI(ミニ)は生産されている車にカーナビが付いていないものが多く、代わりにこのアップルカープレイが搭載され、このカープレイでAppleの純正マップアプリやGoogleマップをナビ代わりに利用するような流れになっていたけど、本当にこのアップルカープレイはカーナビの代わりになるの?ととても疑問思っていたので。
そして先日、愛車のMINI(ミニ)を修理のため入庫し、その間、LCI2のナビ無し・アップルカープレイ付きのMINI代車を借りることができて、本当にナビ代わりに使えるのか試してみたので、その詳細をレポートしたいと思います。
アップルカープレイとは?
まず最初に「アップルカープレイって何?」から説明。アップルが開発したApple CarPlayというのは、自分のiPhoneのスマホの画面を、車のカーナビ画面などのディスプレイに表示して、その画面上でiOSのアプリを操作するシステム。言ってみれば自家用車に普段のスマホの機能が備わるようなもので、電話はもちろん、メールやSMSをチェックしたり、音楽を聞いたり、カレンダーでスケジュールをチェックしたり、地図を見たりすることができるだけでなく、2021年以降の対応車種だとiPhoneをデジタルキーにしてドアロックや解除、エンジンを掛けたりすることもできるという優れものです。
アップルカープレイは、外国車だけでなく、日本の車メーカーの新しい車には順次搭載されてきているので実際に利用する機会は今後増えることが予想されますが、BMW MINI の場合は、昨今の半導体不足を名目に、純正ナビをやめてこのアップルカープレイをナビにする方向に進んでいるとの話もあるみたいです。
アップル カープレイはナビ代わりになる?
そんな便利に思えるアップル カープレイなんですが、本当に車のナビ代わりになるのか?そこは非常に気になるところ。そこで今回の代車(MINI COOPER 5ドア / LCI2)を借りた際に、実際にアップルカープレイを使ってiPhoneのマップアプリでドライブしてみました。
ちなみにBMW MINI でアップルカープレイを利用するのはとても簡単で、iPhoneと車をBluetooth(もしくはUSBケーブル)でつないでペアリングするだけ。あとは勝手にiPhoneと車がシステムを構築してくれてすぐにアップルカープレイが利用可能になります。
アップルの純正マップアプリを使う
アップルカープレイが使えるようになったら、早速地図アプリを開いて目的地を入れてナビをお願いしてみたいと思います…が、早速ここで一つ問題が発生。
それは、アップルカープレイではデフォルトで利用される地図アプリはアップルの「マップ」アプリで、普段からよく使っているGoogleMapはすぐにアクセスできない場所にあるんですね。
アップルのマップアプリも昔に比べて地図の精度なども改善されていて、電波状況の良い場所ではグーグルマップと遜色無いんですが、山道なんかの電波状況の悪い場所に行くとマップが表示できなくなってしまいます。
そのため予めダウンロードしていたオフライン地図が利用できるGoogleMapのほうが、カーナビとしては安心して使えるんですが、GoogleMapはApple CarPlayからアクセスするためにはSiriに「グーグルマップ開いて」などとお願いしたりする手間があって微妙に使いづらい。
Siriは頑なに純正マップアプリを使おうとする
アップルカープレイではグーグルマップを一度立ち上げると、次に車を動かしたときもグーグルマップが立ち上がってくれる仕様にはなっているので、そのへんは便利な使用感にはなっているんですが、例えば車を運転していてiPhoneの「Hey, Siri」で場所を検索してもらうと、頑なにアップルのマップアプリでナビゲーションを始めようとしてしまうのです。
またSiriにグーグルマップを優先的に使うようには設定が出来ないので、ハンズフリーでアップルカープレイのナビを使おうと思うなら、アップルの純正マップを使うのを受け入れなくてはならないのです。
ナビはいつでも使える信頼感がほしい
カーナビというのは、どんな場所でも必ず地図と道路を表示してくれてはじめて使用する安心感があるといえるので、電波状況が悪い場所では使えないアップルの純正マップアプリは、カーナビとしては及第点に少し届かないかな?といった印象。
また電波状況が悪くてもオフライン地図が使用できるグーグルマップは、アップルのマップアプリに比べれば非常に使いやすいマップアプリではありますが、あらかじめ自分が移動する場所のマップをダウンロードしておかなくてはいけないとう手間があり、それを忘れるとやっぱり電波状況の悪い場所では使えないので、そのあたりは使用する上でのマイナスポイント。
その点、普通に車に搭載されているカーナビは定期的に地図更新しなくてはいけないというメンテはありますが、アップルカープレイの疑似カーナビよりも信頼性は高いと言えます。
アップルカープレイのメリット
そんな使い勝手でカーナビに劣ってしまうアップルカープレイのカーナビ環境ですが、全部が全部、普通のカーナビに劣る点ばかりでもありません。アップルカープレイをカーナビ代わりに使用する一番大きな利点は、なんといっても地図更新費用が全く掛からない というところです。
アップルのマップアプリも、グーグルマップも常に新しい地図情報に更新されているので、カーナビのようにデータをダウンロードして更新するという手間がかかりません。
うちのMINIもカーナビの地図データを更新しようとすると、新車購入から3年間は無料でデータ料金は無料(3年後からは有料 / 1年19,800円)でできるけど、ディーラーに頼むと工賃が1回5,000円とか掛かってきてしまいます。つまり、1年間の地図更新費用は2.5万円~3万円程度。それがアップルカープレイならタダになるので、これはなかなかお得ではないかと思います。
アップルカープレイはナビ代わりに使える?
自分のスマホのiPhoneの機能を車のインターフェイスで利用できるアップルカープレイはカーナビ代わりに使えるのか?という答えは…
「電波状況の良い町中なら使える 」
というのが私の見解です。
どこでも安心して地図を表示してくれて、行き先まで案内してくれるというのがカーナビの条件ですが、オフライン地図が利用できないアップルのマップアプリや、わざわざオフラインデータを予めダウンロードしておかなくてはいけないGoogleMapを使ったカーナビシステムは、いざというときには少し心もとないシステムではないかと思います。
なので、予算や環境が許すなら、車には普通のカーナビを搭載しておくのが良いのではないかというのが、実際にアップルカープレイを使ってみた私の感想です。