車の樹脂バンパーの擦り傷を自分で修理できる?
先日、愛車のMINIのトランクに重たい荷物を乗せる際、誤ってその荷物をリアバンパーに落としてしまい、5cmほどの大きな擦り傷が2箇所リアバンパーにできてしまいました。
ディーラーに持っていくと高額な修理代が請求されるのは想像にたやすく、どこかの板金修理に出しても5万円ほどは掛かってしまいそうな雰囲気。
そこで「このバンパーの擦り傷は自分で修理してみよう!」ということで、必要な道具(工具)を揃えて自分で修理してみたので、その修理方法と修理結果を報告したいと思います。
車の修理に関しては素人の私がどこまでバンパーの擦り傷を修理することができるのか、そのチャレンジの一部始終をチェックしてみてください。
修理に必要な道具
樹脂バンパーの擦り傷の修理に用意した道具(工具)一覧は次の通りです。
すべての道具はAmazonで調達可能となっています。タッチアップのペイントは必ず修理する車と同じカラーの塗料を用意しましょう。
車の樹脂バンパー擦り傷の修理方法
樹脂バンパー補修用の道具が揃ったところで、実際に修理を行っていきます。バンパーの擦り傷の修理の手順は以下の通りにやっていきます。
- サンドペーパーで擦り傷部分を整える
- 脱脂剤で下地処理
- パテで擦り傷部分を埋める
- サンドペーパーでパテ表面の面出し
- タッチアップペイントで塗装
- クリアペイントを上から塗る
- 液体コンパウンドで仕上げる
それではバンパー修理を進めていきましょう。
サンドペーパーで擦り傷部分を整える
まずは補修箇所をよく洗ったあと、耐水サンドペーパーの320番、もしくは400番を水に濡らして、補修する擦り傷部分を軽く削って滑らかに整えます。サンドペーパーは水に濡らして擦ることで削りを均一にすることができます。
サンドペーパーを掛け終わったところがこちら。傷の周りにも擦ったためにできた擦り傷ができて「これ本当に大丈夫?」という感じになってきましたが、もう後戻りはできません。続けます。
脱脂剤で下地処理
擦り傷部分が整ったら、補修箇所に脱脂剤を使用して表面の油分などを落とします。この脱脂剤の行程を行うことで、次の行程のパテ塗りの際に、下地とパテの密着性を高め、暦年変化でのパテの剥がれ落ちなどを防ぐことができるそうです。
パテで擦り傷部分を埋める
下地処理が終わったら、パテをバンパーの擦り傷部分に塗って凹みを埋めていきます。今回の私のバンパーキズは2mm以下の凹みだったため、うす付けタイプのものを使用しました。
ちなみにパテの効果時間は、気温20℃で2時間程度なので、パテを平らに塗ったらしっかり硬化するまで待ちます…が、ここで問題が発生。
傷の部分の凹みがほとんどない状態だったため、パテを塗ったらその部分が妙に盛り上がってしまうのです。
「もしかしてパテ付けなくてよかったんじゃね?」
サンドペーパーでパテ剥がし
間違いに気がついた私は、サンドペーパーを使って、固まっていくパテをバンパーから必死に剥がしていきます。使ったサンドペーパーは少し細めの600番。
でも傷を覆いかぶせるように広範囲に塗ったパテを無理やりサンドペーパーで剥がしたものだから、バンパー表面には広範囲に渡って擦り傷が広がっていきます。
タッチアップペイントで塗装
そうしてなんとかパテを剥がし終えて、さらに傷だらけになったバンパーにタッチアップペイントを塗っていきます。
しかしタッチアップペイントはブラシで塗料を塗っていくので、バンパー表面には塗りムラができてしまい、思うようにペイントがきれいに乗りません。
塗った塗料は確かにボディカラーと同じ色なのですが、無傷のバンパー表面は鏡面なのに対し、塗装した部分は輝きも無く…でも、しっかりと道具を集めて準備して挑んだバンパー修理。一応最後までペイントを塗っていきます。
バンパー修理完了
「バンパー修理は失敗しただろう」という思いをこらえつつ、最後まで塗装を終えて修理が完成したリアバンパーがこちら。
表面は超ムラムラで光沢も無く、凸凹してるし、大げさに言えば「修理しなかったほうが良かったも」レベルの仕上がりになりました。
自分で修理をチャレンジしてみてわかったのは、ペイントは筆タイプのタッチアップペイントは絶対にNGで、スプレーを使わなければならないということでした。
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¥2,940
というか、バンパー修理というのは板金工の経験が無いのであれば自分でするものじゃない、というのが、約10cmのバンパー傷を40cmオーバー(約4倍)に広げてしまった後、わかりました。
ディーラーでバンパー交換したら費用はいくら?
素人チャレンジで約40cmの大きな傷に変貌を遂げたバンパー傷。もうここまで来たらいっそのことリアバンパーをすべて新しいものに交換したほうがスッキリするんじゃないかと思い、ディラーに電話をかけてバンパー交換を問い合わせてみたところ、そのお値段は工賃込みで25万円。
ディーラーでの修理は高いとは予想していましたが、まさかそんなに高いとは。もう少し詳しく調べてみると、バンパー自体の値段は13万円程度らしいのですが、バンパー自体は塗装されておらず、その塗装費と工賃を合わせると25万円ほどになるのだとか。これはやっぱり板金修理しかないですね。
板金修理を探す
自分でバンパー修理に失敗し、家族にも怒られ(家族は自分で修理するのは反対で最初から板金修理に行けといっていた)、うなだれながらネットで近所の板金修理を探すことしばらく、市内の板金修理を行っているガソリンスタンドを発見。
早速、ネット予約(ネット予約をすると1,000円オフになる)をしてその板金修理ができるガソリンスタンドに向かいとりあえず見積もりを出してもらうことに。
42cm傷で修理費用は6万円
板金修理は傷の大きさ(長さ)を基準に修理費用が決まるシステムになっているんですが、私が自分で修理失敗で広げた傷の大きさは42cm。
修理費用はネット予約割引1,000円を差し引いて、さらにお店の人のご厚意で42cmだけど40cmの傷として見積もってもらえて60,060円だったので、即決で修理を申し込むことにしました。
修理見積もりに持って行く前にある程度ペイントをサンドペーパーで剥がしてから行ったので、リアバンパーは悲しいぐらい痛々しい形相になってますね…。
お店の人もかなり広範囲に広がっている傷に軽く驚いた様子で、傷発生の経緯を聞かれたので、素直にその経緯を話したところ苦笑いされてました(笑)。ほんと、自分で修理を試みて悪化させてしまうなんて情けないにも程がある。
代車も無料で借りられた!
板金修理の日程は3日間で、3日後の夕方には車が修理されて戻って来るとのこと。板金修理の注意事項として、色味が若干異なるなど細かい部分の説明を受けて納得し契約しました。
帰りはタクシーで帰らないといけないと覚悟してたんですが、なんと!無料で代車の軽自動車を貸してくれました。自分で修理失敗したとは言え、かなり凹んだ気持ちになってうなだれていた私には、こんな優しいサービスが心に染み渡ります。
代車はパステルピンクカラーのN ONE(ホンダ)しか無いとのことでしたが、無料で借りられるのだから文句なんて言いません。可愛いラブリーピンクが身に沁みます。ありがとうございます。
修理されて帰ってきたミニ
そうして板金修理に出して1日早く、きれいにリアバンパーを修理された我が家のMINIが帰ってきました。よーく見ると色味は多少違いますが、写真で見る分には全然わからないぐらいの仕上がりで戻ってきました!
やっぱりプロの仕事は全然違いますね。ほんと…最初から板金修理にだしておけばよかったと後悔しております。
バンパー修理は二度と自分でやらない
張り切って5,000円ほど掛けて修理キットを揃え、予習して挑んだ自分でバンパー修理大作戦は、10cm程度の傷を42cmに拡大しただけの壮大な失敗に終わりました。
結果的に、最初から板金修理に持ち込めば、修理代金は30,000円ほどだったのですが、今回掛かった費用は修理道具5,000円+板金修理代60,000円の合計65,000円。そこに自分で修理方法を調べたり、炎天下でスマホも熱暴走して冷や汗をかきながら修理した私の苦労を足せば、その費用の差はプライスレスでした。
ちょっとでも安くしたいと思う貧乏人根性が、倍以上の修理コストを生み出したという笑えない状況。今後二度と、技術を要する車の修理は自分ではやりません。
もしも板金塗装の経験無くて、でもなんとか安くで自分でバンパー修理をしたいと考えている人は、この私の笑える失敗談を参考にしてみてくださいね。ではでは。