NEW MINI CROSSOVER F60
2017年の3月に日本に導入されるMINI(ミニ)の新型クロスオーバー(F60)。先代のR60の日本発売が2011年だったので、実に6年ぶりのフルモデルチェンジとなる。私もミニは大好きな車なので、新型が発表されるといつもチェックしているのだけれど、今回のクロスオーバー(英名:カントリーマン)は、発表された写真を見て正直、少しガッカリしてしまった。
私ががっかりした写真は上のやつ。なんというか、、ミニなのか?というのが最初の印象だ。これは先代(R60)を初めて見た時にも感じたことなのだけれど、とにかく自分の中にある「ミニ」というイメージにシックリこない。サイズも前よりも更に大きくなったし、大きさだけじゃなくて値段も50~60万高くなってるし…まぁ、投入されているエンジンがディーゼルのものしかないので、少し高くなってしまうのは否めないのだけれども…。
F60実物は写真よりもずっと良い
そして2月の終わり。ディーラーのDMの展示会で初めて新型クロスオーバー(F60)とご対面。あれ?思ってたより良くない?しかも面構えは、意外と先代のR60の流れをそのまま受け継いでる感じ。そしてボンネットは低めに設計されてるので、思ったよりもスポーティーな印象だ。やっぱりクロスオーバーは写真写りが非常に悪い…というか本サイトとかが採用しているアングルが悪いんじゃないか?とか思ってしまうw 偉そうなことは言えないが。
前から見た感じ
前から見ると、先代よりも少し平べったくなったような印象があり、先代R60のシルエットが「ゴロンッ」とした印象だったのだが、今回のF60は「ドスンッ」という雰囲気。でも、やっぱりお馴染みのミニ・クロスオーバーな感じは踏襲していて、先代R60が愛車だった私には違和感はない。
後ろ姿はハッチバックに近い
続いて後ろ姿。テールランプは縦型の形が採用されていて、今のF55、F56の雰囲気に似ている。もちろん車高が高い分、リアバンパーあたりはとてもボリューミーだが、横長のテールランプが採用されている現行クラブマン(F54)よりも、従来のミニのアイデンティティを受け継いでいる印象を受ける。ちなみに、この展示車はクーパーSDで、リアの所々はピアノブラック仕様でスポーティーな感じになっているが、普通のクーパーDはボディーと同色となるらしい。
背面に一目惚れ
この背面のモリッとした感じはR60に近い。しかし、凸凹が増えているおかげで、先代よりも引き締まっている印象も受ける。またナンバープレートの位置はかなり上に配置されているのと「MINI」のロゴマークが先代よりも控えめになっているのもポイントだ。
またこのハッチバックを開くときは、このナンバープレートの上にあるボタンをカチッと押すだけで簡単に開いてくれる。先代R60は大きなMINIのロゴの中央をガチッと押し込んで開けるようになっていたのだが、デザイン的には優秀だったのだが、開くのに少し力が必要でちょっと難儀だった。
そんなユーザーの声も取り入れて、新型は開けやすい仕様に変えてきたのかもしれない。
後ろのトランク
後ろのトランクは大容量。奥行き、高さ共に拡張されて、先代よりもかなり入る。話によるとスーツケースが4台分突っ込めるとのこと。これはかなり使いやすそうだ。
ハッチバックを閉める時
この上がったハッチバックを閉める時も簡単で、今写真右上にみえているボタンをピッと押すだけで勝手にドアが降りてきてガチャっと閉まる。左のマークは単にドアを閉めるボタンで、右の鍵マークを押すとドアが閉まった後にカギがかかる。
ピクニックベンチシート
さらに後部に座ることができるベンチシートもオプションで取り付けることが出来る。普通だと車のリアに座ってしまうと、凹んだりしないか心配になるのだけれど、実際座ってみると非常に安定感があって座り心地も良い。価格的には+50,000円ほどで取り付けられるとのこと。
グリルはいつものクーパーS
グリルのデザインは、いつものクーパーSと同じく格子状のブラックのグリルが採用されている。クーパーDの場合はここがシルバーラインになって、もう少しトラッドなデザインになる。
サイドスカットル
ミニのカスタマイズできるパーツでお馴染みの「サイドスカットル」はかなりの大きさのホームベース型。ここのパーツを変更すればかなり目立つアクセントになりそうだ…が、ノーマルのままで乗ってもインパクトがあっていい。
屋根にはルーフバー
屋根にはSUVらしくルーフバーが標準装備。また先代と同じく、横から見た時には地面とほぼ平行のルーフラインになっている。
廃盤になったペースマンだと、このルーフラインは背面に向かって地面に近づいてスポーティーなフォルムになっているのだが、このクロスオーバーはしっかり室内スペースを保つ意味も込めて、この平行ラインが採用されている。しかしドア部分には凹みがあってどことなくスポーティーな雰囲気も醸し出している。このあたりは先代R60とかなり印象が違って見える。
18インチホイール
展示されているミニクロスオーバーSDが履いているのは18インチのタイヤ。タイヤの径は大きくなると見た目が良い反面、道路ノイズを拾いやすくなる。クーパーDのほうは17インチを履いているので、快適な乗り心地なのは多分クーパーDだろう。
内装もチェック
では内装もチェックしてみたいと思う。今回の展示車はオプションのレザーシートを装備。淡目のカフェブラウンがオシャレな感じだ。ちなみにレザーシートはオプション価格40万円を超えてくる。めちゃくちゃ高い。レザーシートにすると位置記憶機能付きの電動シートになる…が、やっぱり値段が高い。
内装の雰囲気は先代よりも高級感が増している感じ。フロントパネルはT字フォルムになっていて、ちょっとしたコックピット感が、座っていて楽しい。また、膝下の座面は前に伸びるようになっていて、好みで調節可能になっている…が、多分オプションの座席(レザーシートとかスポーツシートとか)を選択しないと付いてないと思われる。
助手席側からの眺め
助手席側からインテリアを見た感じ。先代R60に比べて足元がよりすっきりした感じだろうか。シートの調整のせいかもしれないが、座った時に、先代のよりも膝が上に来る感じでリラックス感がある。長時間座っていると、膝が下に落ちるポジションだと足がつかれてくるけど、これなら長時間座っていてもしんどくなりにくそう。ちなみに真ん中に付いているナビは、タッチパネル式になっている。
操作パネル
中央の操作パネルは、F54のクラブマンと同じ仕様になっていて、サイドブレーキは電動式のボタン操作になっている。ちなみに、この電動サイドブレーキは、ブレーキが効いている状態だと、運転席のブレーキペダルが少し下に落ち、電動ブレーキを解除すると、ブレーキペダルはすこし盛り上がってくる感じになる。
またこの電動ブレーキの採用で、真ん中の操作スペースが少しコンパクトになって快適だ。また、エアコンは左右独立式。左右独立エアコンなんて要らないんじゃないか?とも思ってしまうが、意外と男女では体感気温が違ったりするので、独立式になっているほうが快適だったりもする。
通気口のすぐ下にライトコントロールパネル
運転席の右前の通気口の下にはフロントライトとフォグランプの操作パネルが付いている。R60のライト操作は左レバー(ウィンカー操作)の先を回転させての操作だったのが、F60では大幅に変更。仕様的にはF54のクラブマンも同じだが、位置がもうちょっと下に配置されているので、こっちのほうが操作しやすそうだ。ちなみにハイビーム、ロービームの操作は先代と同じく左レバーの押し引きで行う。
ドアのレバーにカギの開閉ボタン
先代のR60クロスオーバーは、ドアのロック操作は中央下部分のスイッチパネルで行っていたが、今回からはその場所はエンジンのスタートボタンになってしまっており、ドアのロック操作はドア開閉レバーのところで行うようになっている。
また、ウィンドウ操作とサイドミラー操作はその下に付いている。なお、このドアにはピアノブラックとレザーの装飾が施されているが、これも多分オプションなのだろう。
細かい機能
また、自分のスマホをBluetoothかUSBで車に接続すると、ハンズフリーで電話できたりするのだが、その電話の際のマイクは天井の上に付いている。マイクの形で繰り抜いた穴がカワイイ。またクーパーDだと(多分)オプションのETC付き自動防眩ミラーがクーパーSDには標準装備で付いてくる。
後部座席
後部座席も先代にくらべて大きく改善。ホイールベースがでかくなった分、余裕で大人の男性が座れるピッチが確保されている。飛行機のエコノミークラスなんかよりも快適な感じ。中央にはエアコンの吹き出し口も付いている。また後部座席の中央の肘掛けを倒せば、ドリンクホルダーも付いていたりしていい感じだ。
エンジン配置にも一工夫
また、エンジンを置く場所にも工夫がされていて、ミニ・クロスオーバーは他の車種に比べて車高があるのだけれど、各エンジンの地面からの高さを比べてみると、他の車種とほぼ変わらない場所に付いている。エンジンはかなり重いのだが、これを低めに置くことで、走る時の安定性を確保しているのだそうだ。なるほど。あと、このボンネット下には車のネジレを防ぐバーも備え付けられている。
ミニ・クロスオーバーF60 まとめ
こんな感じで新型ミニ・クロスオーバー、クーパーSDを見てきた。感想は、最初に述べたとおり、写真で見るよりもずっと良くて、お金があったら買いたい。
ただ、車体価格だけでも一番安いクーパーDでも、どノーマル、オプション無しで386万円から。税金とか色々入れたらザクッと430万円~ぐらいは必要だろう。ディーゼルエンジン積んでいるので高くなるのは仕方が無いかもしれないが、前のクロスオーバーがクーパーのガソリンエンジンで321万円ぐらいだったので、65万ほど価格が跳ね上がってしまっている。
しかし、先代のクロスオーバーR60を少し上品にしつつも、背面ではより可愛らしさをアピールしてるニクいデザイン。きっとネットで転がってる情報だけで気になっている人なら、実物見たら欲しくてたまらなくなるだろう。ちなみに、しばらくしたら一番買いやすいモデルの「ONE」も投入されるので、欲しいけど高すぎるなぁって人はちょっと待ってみるのも良いかもしれない。